【吉備高原清和荘】ご利用者の可能性
2016年9月16日 10時31分脳の疾患により、主にベッド上で生活をされていました。
ま当初はこちらの声かけに、かすかな声で
「・・うん」と時々、受け答えされていましたが徐々に
反応が薄くなり、ご自分の意志で声を出すことは無く
なりました。
普段は傾眠されていることも多く、活動と言えば散歩
や、みんなが唄っているカラオケを聴いたり、マッサー
ジを受けたり、というような受動的なことでした。
「私たちはHさんにどんな支援をできるのか?」
「Hさんのことをもっと知りたい・・!」
ということで、ご家族にHさんの若かった頃の写真を見せて
いただき、過去のお話をより詳しく聞かせていただきました。
過去の写真は、妊娠されている時の笑顔いっぱいのものや、
お子さんとご主人様と一緒に、仲むつまじくイベントに参加さ
れているものでした。そういった写真を見ると、Hさんの本来
の姿が私たちの心の中に迫ってきました。
イメージがガラッと変わる衝撃的な体験でした。
私たちは清和荘に来てからのHさんのことしか知らなかった
のです。そしてご家族からお話を聞く中で、
「Hさんはもしかしたら絵が描けるかもしれない・・」
とある職員が思いつき、実際に筆を持ってもらいました。
すると・・・
このような絵を描くことができたのです!
しかも、Hさんは描く対象物をしっかり観て、
色をご自身で選ばれ、自分の意志をしっかり
絵の中に表現されたのです!!
Hさんの支援を通して、私たちは「ご利用者の可能性」という
ことを深く考えさせらたように思います。一見はっきりと意志
表示できないように見えるご利用者であっても、いつも何か
を考え、あるいは何かを感じながら日々を暮らされていると
思います。
ちょっとした変化を見逃さず、ご利用者のサインを察知し、
深いところの思いを汲み取り、あるいは想像し、ご利用者の
可能性を大切にしていけるような支援をこれからも続けたい
と思います。
生活支援員 N